わからず屋のトランプ大統領は為替への影響はわかりやすい

大統領になる前から次から次へと問題発言を繰り返して毎日のようにニュースを騒がせているトランプ氏ですがことFXに関しては物凄くわかりやすい言動を繰り返しています。
秋頃から年末にかけてはドル高を容認するような発言を繰り返していたために1ドル118円まで円安が進みました。
この就任前のトランプ氏の世界に向けてのスタンドプレーと駆け引きは凄まじいものがあって対日本だけでも安倍首相どころかソフトバンクの孫社長とまで会見を行い、グローバルの政治力があることをアピールしていました。

今となってみればこの時期のトランプ氏の戦略は、レームダックになっていたオバマ政権の任期のうちに大統領就任予定者という無責任な立場からドル高政策や日本への軍備増強要請など、実際に大統領になってからでは進めにくい政策を「進めるフリ」をしていたのでしょう。

実際この時期は私も含めてFX市場参加者はトランプ氏のスタンドプレーに慣れっこになっていてこの「トランプ就任までの期限付きドル高トレンド」で安定的に投資することができました。

そして年が明けてトランプ氏が本当に大統領に就任してみると、やはり彼は極端な「アメリカ・ファースト」政策を取り始めトヨタやフォードの工場を政治力で脅かしてでもアメリカ国内に留めさせる工作をしたり中国を「為替操作のグランドチャンピオン」などと名指しで露骨に中国政府の元安誘導を非難し始めたりして上がるに任せていたドル高トレンドを一気に逆方向に引っ張っります。

大企業の生産部門を国内に止めさせる、もしくは呼び戻す政策をとっている以上はそれらの企業の国際競争力を維持するためにドル安誘導のための口先介入を繰り返すのがトランプ氏の戦術だろうというのも市場参加者の常識になりつつあるので、しばらくの間はトランプ氏が何か国際的な発言をするたびにドル安要因に拍車がかかる展開が予想できます。

わからず屋の大統領ですが、今のところはFXの参加者にとって単純明快な行動を取る与し易い大統領です。

ドル円レートを乱高下させるトランプ政権の為替政策の方向性は?

トランプ大統領は民間企業の経営方針、それも、トヨタやフォードなど日米の経済の根幹に関わるような大規模な製造業に介入してきます。
そして特定の企業について介入した後は、その後の見通しと言うか率直に言えば思惑を隠さずにぶち上げます。
露骨な言葉で円安に不快感を表明したり、低コストを求めて製造ラインをメキシコに移転させようとする企業を恫喝したり特にドル安に誘導しようとするときはなりふり構わずといった体で「アメリカファースト」を叫びます。

一見すると支離滅裂なトランプ大統領ですが彼が発言をするときは2通りの理由しかありません。

1.相手を嘘つき呼ばわりしてでも自分の過去の行動を強引に弁解するときと
2.アメリカ国内の雇用を増やそうとする(これも強引に)ときです

めちゃくちゃに見えてトランプ大統領は 、4年後の再選を目指してこの二つを使って自分の支持率を上げようと必死です。
就任直後の支持率が40%台では史上最悪のレベルですしヒスパニックなどのマイノリティ層や、人種差別を極端に嫌う都市部のインテリ層などにトランプ氏が支持されることは永久にないでしょうから
中下流の白人労働者層の絶大な支持を取り付けられないと、一期目が終わったところで大統領候補にすら選ばれないという屈辱もあり得ます。

そうならないためにはトランプ氏は「古き良きアメリカの立役者」を演出し、田園地帯や地方小都市のブルーカラー保守層に訴求する必要があるのです。
実際にトランプ氏の政策でアメリカ国内の雇用が増えるかどうか疑問の部分もありますがとにもかくにも製造業はアメリカ国外へ出させない・雇用は外国に渡さないという姿勢を取り続けることがトランプ氏の政治姿勢の前提条件になってきます。

FX投資をしていると中央銀行の幹部の発言は官僚らしい言い回しで常に玉虫色でわかりにくく政治家の発言も白黒はっきりさせない発言が多くイライラさせられることが多いのが常です。
しかし、トランプ氏の場合は政治的な善悪はともかくとして、FX投資という観点からだけ見ると常に単純明快で国際政治によほど大きな変化がない限りは彼はチャンスがあれば常に雇用と輸出機会をアメリカ国内に引き込もうと発言するでしょう。

特に彼が国内向けに経済政策を語るときは、ほぼ毎回ドル安を誘導するような発言になるはずです 。
つまり当面のFX戦略としてはトランプ氏のアメリカ国内向けの発言に注目し、常に円高ドル安方向に急展開する可能性があると備える必要があります。
逆に言えばトランプ氏が勢いのある発言を繰り返している現状では、 ドル売りに中長期的なチャンスがあるともいえるでしょう。